ストレートアイロンは美しい髪を作る便利なツールですが、使い方を間違えると一瞬で髪を傷めてしまう危険があります。特に髪が濡れたままの状態での使用は、ダメージの原因として最も避けるべき行為です。今回は、その理由を科学的に解説します。
濡れた髪に起きる「水蒸気爆発」
髪が濡れている状態で高温(180〜200℃)のアイロンを当てると、表面の水分が瞬時に沸騰します。その際、髪の内部の水分まで急激に膨張して水蒸気爆発が発生。
これにより、髪内部の構造が破壊され、パチパチ・ジュッという音とともにキューティクルが持ち上がってしまいます。
キューティクル損傷
濡れた髪はキューティクルが開き、柔らかくなった状態。そこに高温を加えると、変形・剥離が起こりやすくなり、手触りの悪化や枝毛・切れ毛の原因となります。
タンパク質変性の加速
髪はケラチンというタンパク質でできています。濡れた状態では熱伝導が早く、ケラチンが短時間で変性し、ゴワつきや弾力の低下、ツヤの喪失を招きます。
カラー・パーマの劣化
化学処理された髪は内部構造がデリケート。濡れた状態で高温を加えると、カラーの色素やパーマのカール構造が壊れ、色落ちや持ちの悪化が起こります。
正しいストレートアイロンの使い方
- タオルドライ:水滴が垂れない程度まで。
- ドライヤーで80〜90%乾燥:少し湿りが残る程度でOK。
- ヒートプロテクト剤を使用:熱から髪を守る。
- 温度設定は180℃以下:細く傷みやすい髪は150℃程度。
まとめ
濡れた髪にストレートアイロンを使うと、目には見えなくても内部で深刻なダメージが進行します。美しいストレートを保つためには、髪をしっかり乾かし、熱から守るケアを欠かさないことが大切です。
「早く仕上げたいから濡れたままで…」という使い方は、長期的に見ると美髪の大敵です。今日からは正しい方法で、髪の健康を守りながらスタイリングしましょう。